Tekla Structures 2019 ハードウェア推奨仕様

Tekla Structures
2019
Tekla Structures
Tekla Structures 2019 Hardware Recommendations
hardware recommendations
Environment
Not environment-specific

1. Tekla Structures を運用するコンピューターの推奨仕様

Tekla Structuresにおける推奨ハードウェアは、Tekla Structuresのテスト時に使用したハードウェアに基づいています。したがって、この文書に示されるハードウェア構成以外であっても、利用可能、かつ、適切な構成があります。このドキュメントは新しいハードウェアを選択する際のガイドラインとして使用できますが、このドキュメントに示す装置とブランドだけが適切なハードウェア構成ではないことに留意してください。
ハードウェアを選択する際の主な基準は信頼できるパフォーマンスです。 新しいハードウェアコンポーネント(グラフィックカードなど)の購入を検討している場合は、事前にテストしてそのコンポーネントが必要な要件を満たしていることを確認してください。 Tekla Structuresユーザー向けに多数のコンピューターの購入を検討している場合は、大量に購入する前にまず1~2台のコンピューターで構成のテストと確認を行ってください。
Tekla Structuresはデスクトップコンピューターまたはラップトップコンピューター(ノートコンピューター)での使用を前提に設計されています。 Tekla Structures 2016より仮想環境でのライセンスの利用が可能となりました。
ライセンス利用に関しては以下の点をご留意、ご理解賜りたくお願い申し上げます。

  1. ライセンスの利用範囲は現在契約している使用許諾の範囲のみです。範囲を超えた場合は、不作為であってもライセンスの不正使用とみなされ、再発防止策が確認されるまで一時的にライセンスの使用を停止頂きます。
  2. 仮想環境は日本語環境では検証されておりません。ご利用になる場合はユーザー様の責任にてご利用下さる様お願いいたします。弊社でのユーザー様サポートは、Tekla Structures ライセンスのインストールに限らせて頂きます。

 

Tekla Structures 2019は64ビット版のみでのご提供となります。32ビット版OSはサポートしておりません。
Tekla Structures 2019 は、IPv4、IPv6、または IPv4 と IPv6 の両方のプロトコルを使用するネットワークで使用できます。
Tekla Structures 2019を起動するにはTekla Structuresライセンスサーバー 2017以降をお使いください。これ以前のバージョンのライセンスサーバーではTekla Structures 2019は起動しません。

1.1 オペレーティング システム

Tekla Structures 2019は次のオペレーティングシステムに対応しています。

64bit

Windows10
Windows 8.1

 

1.2 オペレーティング システムに必要なソフトウェア コンポーネント

Tekla Structures 2019を使用するにはWindows OSにMicrosoft .NET framework 4.7.2とMicrosoft Visual C++ 2010 Redistributable、Microsoft Visual C++ 2013 Redistributable、Microsoft Visual C++ 2015 Redistributableが必要になります。Tekla Structuresを使用するコンピューターのWindows OSに両構成が事前にインストールされていない場合には、Tekla Structures 2019をインストールする際に自動的にインストールされます。

 

 

1.3 インターネット接続

 

ユーザー様には、最新の技術資料やソフトウェア、サポート等を、メールやお客様専用ウェブサイトを通じてご提供しております。また、オンラインのヘルプをご利用いただく際にもインターネット接続が必要となります。

ソフトウェアのダウンロード: Tekla Download https://download.tekla.com/
拡張ツールのダウンロード:  Tekla Warehouse https://warehouse.tekla.com/
技術資料: Tekla User Assistance https://support.tekla.com/

1.4 ハードウェア全般

ハードウェアの構成要素は、使い勝手と密接な関係を持っています。特にハードウェアの性能は、電源ユニット、メモリ、グラフィックスカード、CPUといった、コンピューターに搭載されている個々のパーツの性能が重要な要素になります。また、人間工学的な面からは、モニター、グラフィックスカード、キーボード、マウスといった周辺機器も重要な要素になります。

1.5 電源ユニット

電源ユニットは、コンピューターを安定的に運用するための大事な要素になります。電源ユニットの容量が十分な物を選択されていない場合、電源の容量不足からハードウェアが不安定な状態になり障害を引き起こす場合があります。インターネット等のウェブサイト等に掲載されている、電源ユニットの選択に関する資料を確認し、600Wより大きくかつ、使用されるCPUやグラフィックカード等の周辺機器に対して、十分な容量をもった電源ユニットを選択するようにしてください。

1.6 メモリー

Tekla Structuresが使用するメモリの量は、モデルの大きさに依存します。大きなモデルを快適に操作するためには、十分なメモリが必要となります。
小規模なプロジェクトにおける平均的な構成は、16GBのメモリ(RAM) による64bit版のオペレーティングシステムになります。しかしながら、大規模なプロジェクトの場合には、多くのメモリを搭載することを推奨いたします。大規模なプロジェクトでは32GB以上など、より多くのメモリを使用することは珍しくはありません。
なお、メモリの欠陥(初期不良など)を事前に見極めることはとても難しいことです。使用しているうちに動作が不安定になり、そこで初めてメモリの不良であることに気づくこともあります。そのため、メモリを選択される際には、性能や安定性を重視したメーカー純正品などの保証が受けられるメモリを選択することをお勧めいたします。

1.7 プロセッサ (CPU)

プロセッサーにおける基本的なルールは、プロセッサーが速いほどいい、ということになります。
Tekla Structures 2019において、干渉チェック、参照モデル操作や.NETを使用したアプリケーションといった機能は独立したプロセスとして実行されます。したがって、マルチコアなどの速いプロセッサーを使用することによって、より効率的に作業を行うことが可能です。
なお、Tekla StructuresではItanium プロセッサーには対応していませんのでご留意ください。

1.8 グラフィック カード

Tekla Structuresのレンダリングでは描画APIとしてDirectXとOpenGLに対応しています。表示効果はグラフィックスカードの性能に左右されますので、よいグラフィクスカードを選択することでよりよいパフォーマンスを得ることができます。また OpenGLかDirectX の切り替えはTekla Structures 2019の設定で行うことができます。
弊社ではNVIDIA社製のチップセットを使ったカードに対してグラフィックス関係の動作の検証を行っています。
3Dを表示するソフトウェアでは、グラフィックスカードの選択と同時に、インストールするドライバも重要になります。定期的にグラフィックスカードの製造元のWEBページにて、ドライバの更新をご確認ください。なお、更新時には必ずご使用されているWindows OSのバージョンをご確認の上、ドライバを選択してください。
なお、グラフィックスカードはメーカーにより、OpenGLの詳細な仕様に違いがあります。同じNVIDIA社製のチップを使用している場合でも、レンダリングモードの表示が多少、不安定になるグラフィックスカードもあります。

1.9 モニター

24インチのFull HD(Full High Definition  / フルハイビジョン)での表示がサポートされた、 液晶モニターの選択が技術的にも人間工学的にも推奨できるものになります。
また、生産性の向上のために、多くのユーザーがデュアルモニター環境でTekla Structuresを運用しています。そのため、本資料では推奨条件としてデュアルモニターの環境が含まれています。
デュアルモニター機能(画面拡張機能)を使用するためには、専用のグラフィックスカードが必要となります。デュアルモニター機能をサポートしたグラフィックスカードは数多く市販されており、安価な製品もあります。

1.10 マウス

Tekla Structuresのコマンドの中には、マウスのホイールボタンを使用し、操作完了の指示を行うことがあります。また、画面の拡大縮小、移動などの操作は、マウスのホイールボタンを使用していることから、ホイールボタン付きのマウスが必須となっています。
またTekla Structures 2019では 3Dconnexion社製の3Dマウス(Space Navigator、Space Explorer、 Space Pilot、Space Pilot Pro)に対応しています。拡大縮小、移動、回転などの画面操作を3Dマウスで行うことで、3Dマウスで画面を操作している途中でも、通常のマウスは他の操作を行うことが可能です。3D マウスは通常のマウスに置き換わるものではありませんが、作業効率や生産性を向上させることができます。

1.11 プリンター

Windows OSで動作するすべてのアプリケーションの印刷機能は、Windows のコントロールパネルで表示されているプリンター、プロッターを使用することができ、そして、Windowsの プリンター、プロッタードライバで実際の印刷処理は実施されます。
ソフトウェアメーカーによっては、このWindows のドライバやインターフェイスを使用せずに独自で専用のドライバを使用している場合もありますが、Tekla Structuresでの印刷処理においては、標準のWindows ドライバとインターフェイスを使用し、印刷処理を行っております。したがって、印刷機能、品質、性能などに関しては、すべてハードウェアメーカー側から提供されているWindows ドライバに依存しております。
プリンターメーカーによっては、Windows ドライバの更新を頻繁に行っている場合があり、Tekla Structures上での印刷処理に問題があった場合には、新規の購入を検討する前に、ご使用されているプリンター、プロッターについて、最新のWindows ドライバがプリンターメーカーから提供されていないかどうかを確認してください。実際に印刷に関する問題に対して、Windows のドライバを最新に更新することで解決することが多くあります。

1.12 推奨ハードウェア構成

ここでは、推奨仕様とパフォーマンス重視の仕様をご紹介いたします。デスクトップコンピューター(ワークステーション)を対象に機器構成を紹介しておりますが、ノートパソコン(モバイルワークステーション)のご検討の際にも、相当仕様としてご参考にしてください。

  推奨仕様 パフォーマンス重視の仕様
オペレーティング システム Windows 10 (64 ビット) Windows 10 (64 ビット)
メモリー 16 GB 以上 32 GB 以上
ハード ディスク 250 ~ 500 GB、SSD 500 GB 以上、SSD
プロセッサ (CPU) Intel® CORETM i5 CPU 2+ GHz Intel® CORETM i7 CPU 3+ GHz
グラフィック カード デュアル モニター サポート
例: NVIDIA GeForce GTX 1060
デュアル モニター サポート
例: NVIDIA GeForce GTX 1070/1080
モニター 21インチ~24インチのデュアルモニター
(解像度1920x1080~1920x1200)
27 インチ(解像度2560x1440)
のシングルモニター   または、
24 インチ(解像度1920x1200)
以上のデュアルモニター
マウス 光学式ホイールマウス 光学式ホイールマウス
バックアップ装置 外付けハードディスク ドライブ 定期的な自動バックアップに対応した、
外付けハードディスク
ネットワーク
(マルチユーザー環境)
100 Mbps 1 Gbps (全二重)

2. Tekla ライセンス サーバーの推奨仕様

次からの記述は、Tekla ライセンスサーバー 2019に対する推奨仕様になります。
Tekla ライセンスサーバーとして使用するサーバーコンピューターは、個々の性能よりも信頼性・可用性が重要な要素となります。したがって、サーバーコンピューター自体のハードウェアにおいて、信頼性・可用性の確保が重要な課題であると同時に、定期的なサーバーシステムメンテナンスも重要なものとなります。
ライセンス利用に関しては以下の点をご留意、ご理解賜りたくお願い申し上げます。

  1. ライセンスの利用範囲は現在契約している使用許諾の範囲のみです。範囲を超えた場合は、不作為であってもライセンスの不正使用とみなされ、再発防止策が確認されるまで一時的にライセンスの使用を停止頂きます。
  2. 仮想環境は日本語環境では検証されておりません。ご利用になる場合はユーザー様の責任にてご利用下さる様お願いいたします。弊社でのユーザー様サポートは、Tekla Structures ライセンスのインストールに限らせて頂きます。

2.1 ライセンスサーバーに求められるもの

ライセンスサーバーは、インターネットを通じてライセンスのアクティベーションおよびデアクティベーションを行ったり、アクティブになったライセンスを、ネットワークを介してクライアントに供給したりします。 また、ライセンスを保持しているため、故障などが起きにくいことも大切です。
• ネットワークを介して安定したサービスを行うこと
• ライセンスを保護するためハードウェア的にもソフトウェア的にも障害対応の機能を有すること
ライセンスサーバーに求められることをまとめると、上記の2つになります。これは、Tekla Structuresを動作させるPCに要求されるものとは少し違っています。

2.2 オペレーティング システム

Tekla Structuresで使用しているFLEXnetライセンスシステムは、次のオペレーティングシステムに対応しています。なお、Linuxおよび、Unix ベースのオペレーティングシステムやクラウド環境には対応していません。
 

64bit
Windows Server 2012
Windows Server 2012 R2
Windows Server 2016
Windows Server 2019

 

 

仮想サーバー環境
VMware ESXi 6.5及び6.7
VMware Workstation 14.1.1
Microsoft Hyper-Vがインストールされた Windows Server 2012
Microsoft Hyper-Vがインストールされた Windows Server 2012 R2
Microsoft Hyper-Vがインストールされた Windows Server 2016
Citrix XenServer 7.5及び7.6
Oracle VirtualBox 5.2.18
Parallels Desktop 14.1.0 for MAC 10.14
QEMU-KVM

 

 

 

 

サーバー専用OSは通常のワークステーション用のオペレーティングシステムと比較すると、長時間(数か月~数年)、ネットワークを通じて複数のクライアントにサービスを行うという処理を、安定して行えるよう設計されており、ライセンス管理に適しているシステムです。 Tekla License serverが動作するサーバー専用OSにはWindows ServerVMware EXSサーバーがあります。
ライセンスサーバーはサーバー専用OS且つTekla Structures とは独立したデスクトップコンピューターとしてください。なぜなら、ライセンスサーバーの目的のため、安定したビデオカードと、必要最小限のソフトウェアをインストールすることで、アプリケーションのハングアップやOSのフリーズ等を最小限に抑えることができるからです。なお、サーバー専用OSでは、Tekla Structuresは動作しません。
現在Tekla ライセンスサーバーが動作するWindows Serverには Windows Server 2012Windows Server 2012 R2Windows Server 2016、Windows Server 2019があります。

 

 

2.3 RAID

RAID(Redundant Array of Independent Disks :冗長化ディスク)とは、大容量で信頼性の高いストレージ(記憶装置)を構築するために、2台以上のハードディスク装置を同時に使用する技術です。ハードウェアベースのRAIDシステムは、ライセンスサーバーの信頼性を確保するための有効な技術です。なお、RAIDにはRAID 0からRAID 6までの7段階の方式があります。
RAID 1(ミラーリング:二重化)は、複数台のハードディスクに同じ内容を同時に書き込む技術であり、Tekla ライセンスサーバーを使用する際に推奨できる構成となります。また、RAID 1では一方のディスクシステムが故障しても、もう一方のディスクシステムがある関係から、データを失うことはありません。
RAID 5 はライセンスサーバーとしては最も堅牢なシステムであり、搭載されているディスクのいずれかが故障してもデータを復旧することができます。
ハードウェアベースのRAIDシステムを構築する際には、SCSI、SATA 、またはSASに対応した専用のコントローラー(カード)が必要になります。コントローラの多くには、状況を監視するモニターソフトが添付されており、システムに何かしらの障害が発生した場合には、ポップアップ画面などで警告メッセージを表示することができ、サーバーの維持管理に役立ちます。

Wikipediaの解説: http://ja.wikipedia.org/wiki/RAID

2.4 インターネット接続

Tekla Structuresのライセンスの認証の取得、認証の返却、および、修復作業を行うには、弊社の認証サーバーに接続する必要があるため、インターネットへの接続が必要となります。
この処理はTCP/IP port 443上でSOAP over HTTPS SOAPプロトコルで実施されます。したがって、ファイヤーウォールを導入している場合、ファイヤーウォール側でライセンス認証の取得に関するデータの送受信を、許可しておくことが必要となります。

ファイヤーウォール設定で指定する弊社の認証サーバーアドレス:https://activate.tekla.com:443/flexnet/services/ActivationService?wsdl

2.5 UPS(無停電電源装置)

電源装置としてUPSをお薦めいたします。これは、数分間から数十分程度分の電気を貯めておき、不意の停電や不安定な電力状態の際、コンピューターに安定した電力を一定時間供給するもので、停電以外にも落雷や冠水・老朽化したビルの配線などによる電源トラブルからサーバシステムを守る有効な手段と言えます。
また、データを保持する上で、サーバー機器の電源ユニットを2重化することも、検討する価値があります。電源ユニットは消耗品であり寿命があるということを考えれば、連続運転している場合などは、特に注意を払う必要があります。

Wikipediaの解説: http://ja.wikipedia.org/wiki/無停電電源装置

2.6 その他

Tekla ライセンスサーバーと実際にTekla Structuresを使用するコンピューター(ワークステーション)は同じLANネットワーク上に存在し、なおかつ、各ワークステーションはライセンスサーバーとの通信が許可されている必要があります。
もし、各ワークステーションがうまく動作しない場合は、Windows ファイヤーウォールなどのファイヤーウォールソフトウェアが通信をブロックしている場合があります。
特に\Tekla\License\Server\ フォルダに保存されているtekla.exe と lmgrd.exeのプログラムによる通信は許可するよう設定してください。
なお、サーバーコンピューターのIPアドレスは固定してご使用ください。また、DHCPの場合は、IPアドレスをリザーブする設定にして運用を行ってください。

サーバーに障害が発生すると、その間に業務が止まってしまうだけでなく、場合によっては設計データやライセンスを失ってしまう危険がございます。ハードウェア障害などを原因とする、ライセンスの再発行は有償となりますので、ユーザーの皆様には、コンピューター機器並びにその周辺機器は常に障害が発生するリスクがあることをご理解いただき、可用性の高いシステムを構築いただくことをお勧めいたします。
 

3. Tekla Structures マルチユーザー サーバーの推奨仕様

次からの記述は、Tekla Structuresマルチユーザーサーバー 2.5.0に対する推奨仕様になります。
Tekla Structures マルチユーザーサーバー を使用することで、複数のオペレーターが同時に同じモデルを操作することができるようになります。
Tekla Structuresマルチユーザーのサーバーとして使われるコンピューターは、必ずしも高性能なものである必要はありません。また、最大限のパフォーマンスを発揮する必要もありません。異なるTCP/IPポートを割り当てることでTekla ライセンスサーバーを実行している同じコンピューターにてTekla Structuresマルチユーザーのサーバーも同時に動かすことができます。

3.1 オペレーティング システム

Tekla Structures マルチユーザーサーバーは次のオペレーティングシステムに対応しています。32bit版Windows OSはサポートされていません。

64bit
Windows Server 2016
Windows Server 2012 R2
Windows Server 2012
Windows10
Windows 8.1

 

3.2 その他

マルチユーザーとなる各コンピューターは固有のコンピューター名を持ち、そのIPアドレスは同じサブネットマスクをもつことが必要となります。また、Tekla Structuresマルチユーザーサーバーをインストールしたコンピューターは固定されたIPアドレスをもつ必要があります。
 

 

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