モデル間のオブジェクトのコピー方法
別モデルから部材やボルト等のオブジェクトをコピーする方法として、コピーコマンドを使用した方法とカスタムコンポーネントを活用した方法があります。それぞれの実行手順や機能の違い、、注意点についてご紹介します。
1.各機能の実行手順
・コピーコマンドを使用してコピー
1)リボンの編集タブ > コピー > 別のモデルから を実行して、リストからコピー元のモデル名とコピーするオブジェクトのフェーズ番号を指定し、コピーボタンをクリックします。フェーズ番号はスペース区切りで複数指定することができます。コピー元で指定したフェーズ番号を持つオブジェクトがコピーされてきます。
・カスタムコンポーネントを活用
1)コピー元モデルを開き、コピーしたいオブジェクトを選択した状態でアプリケーションとコンポーネントカタログからカスタムコンポーネントの定義を実行します。定義の際のタイプを部材として任意の名前を付けて、カスタムコンポーネントを作成します。
2)カスタムコンポーネントの定義が完了しましたら、アプリケーションとコンポーネントカタログから定義したカスタムコンポーネントを検索し、ファイル(拡張子UEL)として出力します。出力後、コピー元モデルは保存せずに閉じます。保存しないことで、コピー元のモデル内には定義したカスタムコンポーネントは残りません。
3)コピー先モデルを開いて、アプリケーションとコンポーネントから出力したカスタムコンポーネントのUELファイルをインポートします。インポートされたカスタムコンポーネントをモデル上で実行すると、コピー元と同じ部材が配置されます。
4)作成したカスタムコンポーネントを分解します。
2.機能比較
コピーコマンドで別モデルからコピーする場合には、フェーズ番号の指定が必要となり、またコピー実行後の部材の位置はコピー元モデルと同じ位置となります。カスタムコンポーネントを使用して作成する場合には、カスタムコンポーネント実行時や実行後に部材の位置や方向を調整することができます。
カスタムコンポーネントとして定義する際の部材ですが、モデル全体等、オブジェクト数が多い場合にはカスタムコンポーネントの定義/実行の動作が重くなる場合があります。ですので、モデル全体ではなく部分的に選択してカスタムコンポーネントとして定義するようにしてください。
コピー及びカスタムコンポーネントのコマンドの比較をまとめます。
コピー | カスタムコンポーネント | |
フェーズ指定 | 必要 | 不要 |
コピー先位置・方向 | コピー元と同じ位置・方向 | 作成時に指定が可能 |
コピーオブジェクトの規模 | 中規模~小規模 | 小規模 |
3.注意点
1)オブジェクトのコピー実行時及び作成時には、コピー先モデルで新規に部材の配置やコンポーネントの実行が行われます。
ですので、コピー先のモデルでも同じ状態が再現できるよう、同じ設定を適用しておく必要があります。例として以下の設定にご注意ください。
・継手や詳細をコンポーネントを使用し、オートコネクション、オートデフォルトを使用して作成している場合には、その設定とコンポーネントのパラメータファイル
・デフォルト以外のカタログ(プロファイル、材質、ボルト等)を使用している場合には、そのカタログ
・カスタムコンポーネントや拡張ツールを使用して継手や詳細を作成している場合には、そのカスタムコンポーネントのインポートや拡張ツールのインストール
2)コピー実行後及びカスタムコンポーネント作成後に、オブジェクトが正しく作成されているか、部材間のコンポーネントが正しく実行されているか等を確認してください。例えばブレース接合部や柱仕口部のようにコンポーネントの副部材が複数存在する場合には、コンポーネントが正しく実行されない可能性があります。
3)Tekla Structuresの上位のバージョンから下位のバージョンへのモデルのコピー/カスタムコンポーネントのインポートはできません。コピー元のモデルがコピー先のモデルと同じか下位のバージョンで保存されている必要があります。(上位互換)