マルチ図固定枠設定の使い方

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マルチ図
図面枠
Environment
Japan
Tekla Structures 21.0 以降 (2015年5月)

​1. 概要

マルチ図固定枠設定は、複数の梁などの製品図をマルチ図でまとめる際、数を固定して(4 枚、6 枚、8枚、12 枚)配置するための図面設定です。これらの設定を使用することで、マルチ図に含まれる図面の枚数を制御することができます。
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2. キープランの作成

一般図で、キープランを図面マーク[1]で作成して下さい。図面マーク[1]が既に使用されている場合には、キープラン作成後にレイアウトの設定を行う必要がありますので、4.のマルチ図のレイアウトを参照してください。

3. 製品図(複数枚)の作成

マスター図面カタログから製品図設定のリストを表示させ、マルチ図用の設定を使用して製品図を作成します。
まとめる図面枚数によって 4 種類(4 枚用、6 枚用、8 枚用、12 枚用)の設定があります。また、各種類に対して異なる縮尺の設定があります。設定一覧を下表にまとめます。これらの設定は、製品図プロパティの”beam”の設定をベースとして、作成しています。下表の括弧内は、マスター図面カタログからの図面作成ではなく、製品図プロパティを表示させて設定を行う場合のプロパティ名です。
各製品図の設定では、図面のシート番号は1となっています。シート番号を変更して図面を作成するには、製品図プロパティから変更を行い、設定を保存します。
 
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また、製品図プロパティのビューの作成では、正面、上面、背面、下面と、断面図、端部断面図にそれぞれ本製品図設定用のビュープロパティが適用されています。(例えば図面枚数 12 枚で縮尺 1/10 の場合には、”Multi12_10”と”Multi_12_10_section”)

 
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作成された製品図では、図面中央下側にその製品に関する情報(工区やマーク、数量)がテンプレートで表示されます。
 
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3.1 その他の製品図プロパティに適用する場合

自社の製品図プロパティを既に用意している場合に同様にマルチ図に含む図面枚数を制御するためには、製品図プロパティのレイアウトで、図面枚数に対応したパラメータを読み込み、図面を作成します。
このレイアウトプロパティの設定では、テーブルレイアウトや作画領域の指定を行っています。また、縮尺をオートスケールではなく固定としています。図面内のビューは、製品図プロパティのビュープロパティで指定された縮尺で作成されます。
 
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4. マルチ図にキープランを設定

マルチ図プロパティダイアログで、"製品図用マルチ図"を読み込み、レイアウトボタンを選択します。
マルチ図のレイアウトプロパティで、レイアウトに”製品図用マルチ図”、テーブルレイアウトに”キープラン付き”が適用されていることを確認し、それぞれのダイアログで既定値に設定します。

 
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レイアウトとテーブルレイアウトを確認します。図面を閉じた状態でメニュー [図面とレポート] > [図面設定] > [図面レイアウト] を選択して、レイアウトのダイアログを表示させます。レイアウトリストから”製品図用マルチ図”を選択しテーブルレイアウトボタンを押します。テーブルレイアウトリストから”
キープラン付き”を選択し、テーブルボタンを押します。

 
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テーブルのダイアログの使用テーブルで、キープランとして一般図の[1]が使用されていることを確認します。3.キープランの作成で、図面マーク[1]以外でキープランを作成している場合には、差し替えを行い、既定値に設定としてください。
キープランの配置位置について、マルチ図の図面枠の右下にキープランを配置したい場合には、選択テーブル”drg_title1_j”の右上と、キープランの右下を一致させるように配置します。その際に枠線とキープラン枠を少しずらせるためにコーナー間のベクトルに X:‐3、Y:3 程度オフセットさせることをお勧めします。
 
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5. マルチ図の作成

図面リストで図面を選択し、右クリックから図面の作成 > マルチ図 > 選択図面(レイアウト付き)を行い、マルチ図を作成してください。

 
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マルチ図内には、選択した各製品図が定義した枚数毎に配置されます。
 
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6. マルチ図の運用

マルチ図では、複数の製品図や単品図を 1 枚の図面にまとめることができます。マルチ図を用いた際の矢視記号やモデルの変更など、運用時の注意点があります。

6.1 断面矢視記号

マルチ図に含まる各単品図、製品図に断面ビューが含まれる場合、その断面ビューの矢視記号の作成方法によって、マルチ図を作成した際の記号の書き換えが異なります。
1) 全ての矢視記号が自動作成となっている場合、マルチ図内で全ての矢視記号が A から順に書き換えられます。

 
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2) 自動作成された後、矢視記号を手動で変更した場合、マルチ図側では振り直しはせず、そのまま元図と同じ矢視記号が適用されます。断面図の矢視記号をコントロールされたい場合はこの方法をお勧めします。

 
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3) 自動作成された矢視記号と手動で変更した矢視記号が混在している場合、自動作成の矢視については書き換えられ、手動で変更した矢視は書き換えられません。

 
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4) 自動で作成された断面以外に、手動で断面ビューを作成した際に、マルチ図内では全ての矢視記号が書き換えられます。手動で作成した断面ビューでも、矢視記号を変更すると書き換えは行われません。

 
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5) マルチ図作成後に、ある元図で断面を追加で作成した場合に、マルチ図内ではその断面ビューの矢視記号はマルチ図内で最後の記号に書き換えられます。

 
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6) 矢視記号をメニュー [マークと注記] > [断面記号の作成] コマンドを使用して個別に作成した場合、この矢視記号は断面図とは切り離されていますので、断面図内のラベルの変更に追随しません。マルチ図を作成した際に断面図内のラベルは書き換えられますが、手動で作成した矢視記号は自動的
に書き換えられませんので、手動で矢視記号を変更する必要があります。
1), 4), 5) では、一枚のマルチ図内で矢視記号が重複することはありません。また、管理の手間が少ないことから、お勧めの運用方法です。ただし、元の製品図とマルチ図で同じ断面矢視記号にならない点にご注意下さい。

6.2 モデルの変更

マルチ図作成後に、マルチ図内に含まれる部材の変更や削除が行われた、または元図に対して編集が行われた場合、つまり元図に対して何か変更が生じた場合には、マルチ図の変更内容にリンク先の変更のフラグが表示されます。

 
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元図が更新された場合には、マルチ図を更新するとその変更内容が反映されます。
元図が削除された場合には、マルチ図の更新を行うと、削除された図面の部分が空白となります。

 
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モデルの変更を行って新たに図面が追加された場合(自動複製機能等)には、複製された新規の図面はマルチ図に含まれていませんので、新たにマルチ図を作成する必要があります。既存のマルチ図に追加を行う場合には、そのマルチ図を一旦削除して再度マルチ図の作成を行うか、既存のマルチ図を開き、図面リスト上で追加する図面を選択した状態でメニュー [ビュー] > [別図面のビューの挿入] > [レイアウト付きのリンク] を実行します。開いているマルチ図内に図面ビューが挿入されますので、位置の調整を行います。

6.3 図面の編集

マルチ図内で、それぞれの図面ビューに対して、寸法やマークの追加、変更を行うことは可能です。ただし、マルチ図内での編集内容は、元図としての図面には反映されません。
マルチ図で図面ビューの変更を行い、次に元図で編集を行った場合、マルチ図内で行った編集は残らずに元図の状態がマルチ図内に表示されます。したがいまして、マルチ図作成後に図面編集を行う際には、マルチ図または元図のどちらか一方で行います。

7. マルチ図のレポートの作成

作成したマルチ図に、どの製品図、単品図が含まれているかを確認するには、レポートを作成します。
図面リスト上でマルチ図を選択し、"マルチ図リスト"のレポートを選択部材で作成します。または、マルチ図を選択していない状態で、全部材でレポートの作成を行います。
集計結果として、マルチ図に対して含まれている図面の情報(図面の種類、マーク、部材名、メイン部材プロファイル)がリストとして表示されます。

 
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以上、
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