マルチユーザーモデルにおけるナンバリングについて

Tekla Structures
Not version-specific
Tekla Structures
Hint
tips
Environment
Japan

マルチユーザーモデルを運用している際に、モデルに不整合な状態になるケースの多くは、各オペレータ間での操作内容の重複やナンバリング時で発生することが多く、気づかない内にモデルに致命的なエラーとなっている場合があります。

関連記事(マルチユーザーモデルにおけるモデリングについて)でもご紹介しておりますが、マルチユーザー環境では、各オペレータが、モデルを開くと、各オペレータのコンピューター上に、モデルのコピー(作業モデル)を作成し、そのモデルに対して編集操作を実施しています。
ナンバリング操作についても、この機能は適用されており、ナンバリング操作は、各オペレータのコンピューター上に作成された作業モデルに対して実行され、この作業モデルが最新の状態でない(他のオペレータの編集内容が反映されていない)場合には、不完全なモデルに対してナンバリングが実行されエラーの原因となります。
マルチユーザー環境でナンバリングを円滑に行う場合には、以下のような手順での操作が必要となります。

  1. ナンバリングを行うオペレータを決め、そのオペレータがナンバリングを行うようにする。
  2. ナンバリング時には、事前に全てのユーザーがモデルの[上書き保存]を実施し、マスターモデルを最新の状態する。
    また、各オペレータは上書き保存後、ナンバリングが完了されるまで、モデルや図面への操作を中断し、作業モデルへの不用意な編集や更新は中断します。
  3. ナンバリング担当は、モデルを利用している全てのユーザーの上書き保存を確認後、再度[上書き保存]を実施し、作業モデルを最新の状態にします。
  4. ナンバリング設定を確認し、ナンバリングを実行します。
  5. ナンバリング完了後に再度[上書き保存]を実施して、マスターモデルをナンバリングが実施されたモデルに更新します。
  6. ナンバリング担当によるナンバリングの完了後、各オペレーターは、再度、[上書き保存]の操作を実施して、ナンバリングが完了されたマスターモデルを取得してから作業を再開する。

各オペレータは、(2)での上書き保存後は、編集作業等を行っていませんが、ナンバリング担当によるナンバリング操作でマスターモデルは改訂されていますので、そのモデルを取得してから、各自の作業を再開します。

上記の手順の(3)及び(5)の操作をサポートする機能として、Tekla Structuresではナンバリング設定の中に“マスターモデルと同期をとる(保存 -> ナンバリング -> 保存)”オプションを利用することができるようになっています。

Image
1.png

このオプションを利用すると、ナンバリングの実行時に、まず初めに[上書き保存]の処理が実施され、マスターモデル上の最新のモデルと同期をとってから、ナンバリングを実行し、ナンバリングの完了後も、再度、[上書き保存]の処理が行われ、マスターモデルについてもナンバリングが実行された最新のモデルにすることができます。
ただし、このオプションについては、あくまで、ナンバリング操作を実行するオペレータの作業モデルとマスターモデルの間を最新の状態にするためのオプションとなり、他のオペレータの作業モデルとマスターモデルの関係については保障されていません。

また、定期的に、モデルをシングルユーザーで開き、モデルのエラーチェックを行うこともマルチユーザーでのモデルを円滑に運用する上で重要なポイントとなります。

マルチユーザーモードについては、テクラ・ユーザー・アシスタンス上にも詳しい説明がありますので、ご活用ください。

[モデルおよびファイルの共有] › [Tekla Structures モデル内での共同作業] › [マルチユーザー モード] › [マルチユーザーシステム]

役に立ちましたか?