Jpスプライス(JpSpliceJoint)
概要
最新ツールバージョン:2.1(2022.10)
対象TeklaStructuresバージョン:2021以降
形鋼を含む任意の断面をもつ部材同士の突合せボルト継手をつくるプラグインコンポーネントです。
生成されるオブジェクト
スプライスプレート
フィラープレート
ボルト
溶接(所属のため)
制限
継手のメイン部材・副部材はそれぞれが形鋼または板で構成される製品であることが必要です。また、メイン部材・副部材の製品構成を判定するため、本継手では工場ボルトによる接合は行えません。現場ボルトに限られます。
1グループのボルトは最大100本です。グループ数に制限はありません。
部材の指示
1.メインとなる製品を構成する部材の一つを選択します。
2.副となる製品を構成する部材の一つを選択します。
ビルドアップ材などコンポーネントで出来ている場合はコンポーネントオブジェクトの選択を有効にして必ず部材を選択するようにしてください。
選択する部材によって継手のでき方が変わる場合があります。
メイン側部材・副側部材の軸が平行になるような部材を選んで指示することで継手が正しく作成されやすくなります。梁材の部材軸は始終点からなる直線で、ポリゴンプレートの場合は、ポリゴンの1点目と2点目をつなぐ直線が軸になるので、このことを踏まえて部材を選択するようお願いいたします。
また、フィッティングを「いいえ」にすることで、部材軸に平行な辺を持たない板でも継手が作成される場合があります。
このようなとき、継手シンボルが離れた場所にできることがありますが継手自体に問題はありません。
ピクチャータブ
以降、[ ]内の値は初期値を表します。
ここでは、部材間のギャップ(隙間)に関する設定と作成されるスプライスプレートとフィラープレートの所属の設定を行います。
フィッティング(選択)[デフォルト=はい]: はいにすると指定した間隔になるようフィッティング(orカット)を行います。
ギャップ[10 mm]:メイン部材と副部材間の隙間
ギャップ位置(選択):
- メイン部材側[デフォルト]:メイン部材側にギャップを設けます。
- 副部材側:副部材側にギャップを設けます。
- 均等割り:
- 長い部材側:部材長さの長い部材側にギャップを設けます。
- 短い部材側:部材長さの短い部材側にギャップを設けます。
- 上部材側:上にある部材側にギャップを設けます。
- 下部材側:下にある部材側にギャップを設けます。
スプライス所属(選択):スプライスプレートに工場溶接(サイズ0)を施し製品組にします。
- なし[デフォルト]
- メイン部材
- 副部材
- 長部材
- 短部材
- 上部材
- 下部材
フィラー所属(選択):フィラープレートに工場溶接(サイズ0)を施し製品組にします。
- なし[デフォルト]
- メイン部材
- 副部材
- 両方
- 長部材
- 短部材
- 上部材
- 下部材
フィラーはメイン・副それぞれに作成されることがあるため、スプライス所属に比べて両方(下図の赤破線)という選択枝が追加されます。
ウエブ1、フランジ1、ウエブ2、フランジ2 タブ
これら4つのタブの入力内容はすべて共通で、設定によってウエブ用、フランジ用(2分割用)に対応します。
(Ver.2.1でフランジ1,2のスプライス裏についてマークと材質パラメータが追加されました)
スプライス表、スプライス裏、フィラー:各板ごとに板厚、マーク、材質、名前、仕上げ を指定できます。
t板厚(mm)([母材厚の2/3の0サイズアップのマーケットサイズ]
マーク[P/1]
材質[SN400A]
名前[ウエブスプライス/フランジスプライス/ウエブフィラー/フランジフィラー のいずれか]
仕上げ[] (ver1.1より)
ボルト(選択)[S10T]
ボルトサイズ(選択)[20]
フィラー[1.2] (ver1.1で、カンマ区切りで複数板厚を入力可)
以下のフィラー厚決定ルールにより、複数の隙間に対して適切なフィラー作成します。
<決定ルール>(ver1.6 でルール改善)
まず、各隙間に対して、入力された板厚のすべての組合せ(同じ板厚を複数枚使う組合せも含む)を作成します。目標とする隙間との差が1.0mm以内の組合せを抽出します。この中から使用する板枚数が最も少ない組合せを選択します。
例)
入力板厚が{ 1.6, 2.3, 3.2, 6.0 }のとき、
隙間 7.0mm → 6.0mm 1枚 = 6.0mm
隙間 5.0mm → 6.0mm 1枚 = 6.0mm
隙間 4.5mm → 2.3mm 2枚 = 4.6mm
隙間 3.0mm → 3.2mm 1枚 = 3.2mm
ボルト本数(ここに入力した場合、列数より優先されます):ボルトの合計本数は軸方向本数と直角方向本数の積できまりますが、ここに入力した場合、直角方向の本数とここで入力した本数でボルト配置します。
例)軸方向2本、直角方向2本で千鳥配置にした場合、下図のように2本のボルトは配置されます。
次に、ボルト本数に実際に必要な4本や5本などと入力することで、幅方向の配置は変えずに軸方向に増減して入力した本数を配置します。
ボルト配置タイプ:
ボルト配置は次の2タイプがあり、デフォルトでプログラムが判断します。着目する板の中央付近に他の板が接続している場合その板はフランジタイプ(2分割タイプ)に分類されます。
フランジタイプ
(ボルト群が2つに分割されるタイプ)
1.軸方向ボルト本数[2]
2.軸方向ボルト間隔[下表(60mm)]
3.軸方向縁端距離:部材端側[下表(40mm)]
4.軸方向縁端距離:スプライス端側[下表(40mm)]
5.直角方向縁端距離:スプライス端側[下表(40mm)]
6.直角方向ボルト本数[下表]
7.直角方向ボルト間隔[下表(60mm)]
8.直角方向縁端距離:ボルト群2分割時の中央側[下表(40mm)]
9.直角方向ボルト間隔:ボルト群2分割時の中央間隔[下表]
10.直角方向の寄り[0mm]
フランジタイプ初期値
ウエブタイプ
1.軸方向ボルト本数[2]
2.軸方向ボルト間隔[60mm]
3.軸方向縁端距離:部材端側[40mm]
4.軸方向縁端距離:スプライス端側[40mm]
5.直角方向縁端距離:スプライス端側[40mm]
6.直角方向ボルト本数[板幅の68%に60mm間隔で配置した場合の可能本数]
7.直角方向ボルト間隔[60mm]
8.直角方向縁端距離:スプライス端側[40mm]
9.直角方向の寄り[0mm]
千鳥(選択)[自動判定]:フランジタイプの場合、板幅によって千鳥になります。
板有無(選択)[両面あり]:スプライスプレート表・裏の有無を指定します。表裏両方とも無しを選択するとボルトもフィラーも作成されません。
板分割(選択)[フランジタイプのとき裏面のみ2分割 / ウエブタイプのときこの入力は無効]:スプライスプレートの2分割を表裏それぞれで指定できます。
ボルト孔径付加値[2mm]:ボルト孔径のためにボルト呼び径にプラスする値
ボルト削除番号:ボルト群から一部のボルトを作成しない場合につかいます。
例)ボルトを軸方向3本x直角方向8本で24本配置したとき、ボルトには下図のように0からの番号が割り振られます。ここで、削除ボルトとして[ 16, 23 ] を入力することで、角の2本のボルトを非作成にすることができます。
ボルト向き(選択):ボルトの差し込む向きを反転させたい場合に「はい」にします。デフォルトではボルトは部材の中央から外向きに配置されます。
ボルト付加長:ボルトの余長として加える長さを指定します。(ver1.1より追加)
1つの継手内でこの板だけメッキボルトを使う場合など、首下長を部分的に変更する場合に有効です。
ウエブ・フランジの説明
部材のを板構成に応じて、ウエブ1、フランジ1、ウエブ2、フランジ2の各パラメータタブがどの板に割当られるかを示したものです。
以上